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地域デザイン事業

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「五戸町が好きだ!!」―新リーダー・若宮佳一町長の熱視線―

五戸町が大きく変化しつつある。歴史的に多くの人材を輩出し農業、工業、商業も発展していた五戸町だが、近年は時代の変化に消極的な一面があったことは否めない。いま、その五戸町で町民の期待が高まりつつある。五戸町生まれで、「五戸町が好きだ!!」のキャッチフレーズを掲げ、令和元年6月に町長に就任した若宮佳一氏が期待の震源地である。キャッチフレーズから直接響く“五戸愛”をベースに、次々と独自性を持った施策を展開することにより町を変えようとしている。就任1周年を間近に控えた新町長に想いを聞いた。

若宮 佳一

わかみや・けいいち:1966年五戸町生まれ。千葉大学園芸学部卒。2004年より4期、五戸町議会議員を務める。2019年6月五戸町長就任。座右の銘は「あたり前の事はあたり前に」。趣味はスポーツ観戦。

すぐに踏み出した変革への道

――役場庁舎内での挨拶運動に取り組んでいるようですね。

就任直後から庁舎内の挨拶運動を始めました。町のケーブルテレビでも取り上げられ、今ではだいぶ浸透してきています。やはり挨拶は気持ちが良いものです。子供たちから、立ち止まって挨拶されると改めて気づかされます。運動を始めた手応えを感じており、これからも継続していきたいと思っています。役場職員間はもちろん、役場と町内の皆さんとのコミュニケーションがスムーズになってくれれば良いと考えています。

――五戸町役場の組織変更に着手したとお聞きしましたが?

「政策調整室」と「人事班」を新設しました。予算の出所はどうしても国・県からの縦方向になっています。私の政策の中には「地方創生」分野が数多く入っており、縦一本ではどうもうまく機能しないんです。役場内組織の横連携を強くしながらスピード感をもって進まなければならないので、役場庁舎内の仕組みを変えたいという想いから「政策調整室」を創りました。政策調整室の役割は、各課に相談に行って話を聞かせてもらい、縦割りの慣行を少しずつ変えて、一つのプロジェクトを完成させるというものです。

もう一つの新設組織は「人事班」。人口減少の時代で職員数もますます減っていくと思われる中で、職員の生産性向上が求められると思います。町の面積が縮小するわけではないので、職員一人が扱う仕事量がどんどん増加していくことは間違いありません。そこで、職員の教育がますます重要になってくると思い「人事班」を創りました。

――組織の新設によりさっそく成果があったそうですね。

仕事にスピード感が出ました。特に新型コロナ感染拡大防止対策はスピードが大事で、事業者への持続化支援金支給の対応を「政策調整室」に担当させたところ、指示後1週間で具体化できました。町民からの要望が役場に届いた時点では既にスキームは出来ていました。「政策調整室」がまず動いて各課を回り、ある程度の予算規模や完成までのスピードを予測して、各課の作業を調整するという段取りで進めました。あれは、まさに「政策調整室」が機能した場面でした。

――仮に、「政策調整室」が無ければ、どうでしたか?

まずは総務課経由で指示を出して、総合政策課に話がつながり、次に商工会の担当部署に連絡する流れになると思います。はっきり時間で表現できませんが、感覚的に数倍以上の時間は必要です。それが、今回は1週間で完成しました。

――新型コロナ関連の経済対策は他にも?

もう一つ成果をあげれば、「飲食店応援チケット」を創りました。仕組みは、利用者が行きたい店を選んで、そのお店用に商品券を購入します。選んでもらったお店側は、購入者が実際お店を訪れる前にお金を受け取れるというものです。基本的に以前の「プレミアム商品券」と同じですが、先に業者にお金が配られる点が大きく違います。店側は、常日頃の自分達への評価を、お客様の反応から測ることもできます。店主によっては、励みになる方も反省される方もいらっしゃると思いますが、何といっても自分の商売の仕方と利用客との繋がりを第三者的な目線から冷静に意識するきっかけ作りになると思うんです。「飲食店応援チケット」は消費者に金銭的メリットがあるうえに、地元商店へ資金繰り支援と「気づき」の醸成を促すことを目的にできることで独自性を発揮できたと思います。

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