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経営サポート事業

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ロボットビジネスと地方創生

ロボット定着の時代に向けて

【北河】 これまでロボットは開発側の理論で作られることが多かったですが、今後はユーザーの使い方も考慮した開発を進めていく必要があります。具体的には、ユーザーの使用状況をメーカー側にフィードバックしつつ、ロボットの使われ方を意識して開発することにより、ロボットは単なる一過性のブームではなく、次第に定着へと向かっていくのではないかと考えています。

【佐々木】 我々の研究でも、2020年中にはユーザー側におけるロボットの購買基準が満たされる状況になると予測しています。その大きな理由は、人々のロボットへの認知度合いが大きく変わってきたという点があげられます。

この点に関し、次のような大きな5つの背景があると思っています。①TVニュースなどでAI、ロボットが取り上げられる機会が増え、国民の抵抗感がなくなってきた。②社会のロボットに対する適合性が少しずつ上がってきた。③ロボットを作る側の技術が向上している。④インターネットの普及や、5Gへの移行が進んでいる。⑤ハードとソフトが互いに歩み寄って、世に送り出せるような製品が作られ始めた。以上のような環境変化がみられます。ロボットは、様々なビジネスを支える基本的なツールとなりつつあります。

【北河】 ロボットに使われる部品やセンサーの低価格化や高機能化が進み、例えば、昔は50万円だったものが数万円で出回っています。つまり、昔は採算性の観点から採用されなかった技術が、今では廉価で使用できることなども、ユーザー側のロボット購買基準を満たすことにつながっています。

もう一つロボットの普及を阻んできたのは、仕事を奪われるとの意識が、従業員側にあることです。例えば介護業界では、介護ロボットの導入により自分の仕事がなくなるのではないかという職員の警戒感があります。ロボットが全ての仕事を代替してくれるわけではないのです。「ロボットは介護従業員の大変な部分をアシストし、業務の過重な負担部分を補い助けてくれますよ」と説明することで、納得しロボットを受け入れてくれます。仕事をとられるという潜在的な危機感を払拭することも必要です。一方、経営者に対しては、このロボットを導入したら何人職員を減らせるという考えは、決してしないで欲しいとお願いしています。そういう話が漏れると職場内で反発が生じます。経営者として、コスト削減の視点は確かに必要だとは思いますが、導入の目的をきちんと職員に説明することで、導入しやすくなるはずです。

現在、新型コロナウイルスの感染リスクの高まりから、ロボットの出番は増えています。テレプレゼンスや遠隔会議をするためのロボットや、遠隔操作で作業ができるロボットもあります。つまりロボットというインターフェース(仲立ち)を使うことにより、人間のリスクや負担が減っていくことが始まっています。

ロボット普及に向けた国の資金援助制度―繋ぐ役割にも資金を―

【北河】 ロボット開発・導入、実証試験やインテグレーターを育てるための資金(補助金・助成金など)は整備されていますが、ロボットを普及させたり、コーディネートを目的とすると、なかなか適当する資金がありません。繋ぐ役割や、地域におけるコーディネート機能にも資金が付けば、さらにロボットは普及すると思われます。なお企業に対しては、ユーザーがいることが前提で、ロボットの提供者と関係者でコンソーシアムを作った場合、コンソーシアムに対して補助金が付くなどの制度はあります。

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