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経営サポート事業

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ロボットビジネスと地方創生

ロボット導入のメリット④ 
製造業―課題解決を提案するシステムインテグレーターが必要―

【北河】 従来導入されていた産業ロボットは、自動車業界や電子部品業界で最も進んでいて、日本はその業界分野では世界一位の技術、導入の実績があるといわれていますが、三品(薬品、化粧品、食料品)の業界分野へはあまり導入されていませんでした。昨今、急速にその分野での引き合いが増加しているのは確かです。でもなかなか思った程に普及しないのは、各種ロボットを作るメーカーはあるのですが、導入する企業別にカスタマイズするシステムインテグレーターという人材の不足が、大きく影響しているからだと思っています。

現場に密着した、価格的にも機能的にも適切な機械の利用でソリューション(課題解決)を提案できるシステムインテグレーターを育てる必要があると思っています。

ロボット導入のメリット⑤ 
公務―RPA技術の進化トリガー機能とOCR機能の充実―

【佐々木】 事務作業におけるRPA(Robotic Process Automation、ロボット技術による業務プロセスの自動化)については、ユーザーが自分達で業務プロセスを構築できる、利用者に使いやすい製品が多く出回っています。これから普及が進むことが予想されます。そうしたなかで、RPA製品を使っている人達が今抱えている問題は、様々な業務にもっと適用させるために、RPAが起動するためのトリガー機能をさらに増やしたいということです。トリガーの種類を多く持った製品が、ほかの製品を凌駕し始めています。

特に、公務ですと、トリガー機能に加え、画像処理とのセットが重要な機能となっています。OCR機能が装備され、手書き文字を認識する識字率98%の性能を持つRPA製品として、販売、購入されています。どこに行ってもこの話を聞きますが、こうした傾向は、広がっていくものとみられます。

ロボット導入のメリット⑥ 
建設業―ロボットで修繕箇所を点検―

【佐々木】 建設では、現場の点検にドローン運用が拡大しており、この流れは今後も継続すると思われます。例えば橋梁の点検などの場合、今までは、人が危険な高所に上って、点検部をたたきながら修繕が必要な箇所を確認していたのですが、現在ではドローンが撮影した画像から判断し、問題箇所を確認できる程に技術は進んでいます。ものの数十秒で確認作業は終わるためユーザーの好評価を得ています。国内ではインフラの老朽化が進行しており、建造物点検におけるドローン利用の流れはさらに進むとみられます。

【若林】 ドローンだけではなく、車両搭載型の亀裂チェックロボットが現在では実用化されています。車に高精度センサーやカメラが搭載されていて、道路を走行するだけで、路面の亀裂を読み込んでチェックができます。最近では、衛星画像、ドローン、車両搭載型ロボットなどのモビリティを組み合わせて使う事例が増えてきました。はじめは広域的に、次にピンポイントで見る。変化がある箇所を経過観察してピックアップし、最終的に近距離のものはドローンや車両搭載型ロボットを利用して確認します。

【佐々木】 大手企業からは、建設現場でさらにロボットを利用していきたいとの声も聞こえます。コンクリートの仕上げ作業や塗装作業を、人材不足や高齢化の進展の影響から、徐々にロボットで代替するようになってきました。危険な作業をロボットに代替させる動きもあり、船底のメンテナンスを行う水中ドローンなども既に利用されています。

ロボット導入のメリット⑦ 
観光産業―ドローンを使ったバーチャルツアー―

【北河】 観光振興におけるロボット導入の事例として、RobiZy会員の株式会社シアンが実施しているドローンを利用したバーチャルツアー『空力車(くうりきしゃ)』が挙げられます。高齢者や身体障がい者の方など、実際に観光地に行けない人でも、VRゴーグルをつけて、観光地で飛ばしたドローンの映像を見て、観光地の情景を楽しむことができます。寝たきりの人たちが笑顔になるという、観光と福祉の融合したような取り組みです。なお、観光振興にとって重要な、多言語対応は、ロボットが一番得意な分野です。

ロボット導入のメリット⑧ 
エネルギー産業―再エネ関連施設のメンテナンス―

【佐々木】 ロボットは、24時間365日休むことなく働いてくれますが、唯一必要なのは電気です。例えば、スマートアグリの水稲栽培での利用を想定して、ゆっくりした水路の水流でも24時間駆動可能な発電製品が開発されています。山形ではソーラーシェアリングを仲間と一緒に水稲だけでなく、色々な圃場で試してみたいと思っています。一つのことに止まらないやり方が、本当の意味での再生可能エネルギーの利活用だと思います。それによりゼロカーボン化への貢献もできると考えています。

【北河】 再生可能エネルギーの施設では、メンテナンスが必要です。例えば風力発電の場合、メンテナンスが不十分だとブレードが落ちたりするのですが、概して山の中や交通の便の悪い土地に設置されているので、頻繁には整備に行けません。それをAI、IoTの活用によってカバーできます。前述のひび割れをチェックできる技術を用いると、故障する前に教えてくれます。また、オイル劣化による潤滑性能低下などの異常があれば大概熱を持ちますので、その熱を感知し異常を知らせる仕組みを構築しておけばいいのです。

メガソーラー(大規模太陽光発電)の場合も、きちんと磨いて掃除していないと発電の効率が落ち、採算が合わずに結局、放棄されたりします。既に製品化されているパネル表面を掃除するロボットやAI、IoTをうまく利用してメンテナンスができるようにすれば、再生可能エネルギーでも生産効率の高い発電が期待できます。今はまだ、検証、検討段階ですが、こういう取り組みをモデル展開できれば面白いと思います。

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