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経営サポート事業

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ロボットビジネスと地方創生

ロボット導入による地域振興―全体を見渡す視点必要―

【北河】 中部圏のある市で、我々は、「スマートアグリタウン構想」を検討中です。高齢化による様々な問題を抱える人口5万人の中山間地域で、スマート農業の社会実装モデルを検討しています。単にロボットが動いているということでは、継続的なビジネスになりません。例えば、観光や農泊と組み合わせて、農家に宿泊した人達を対象に、ロボットを使用したスマート農業を体験させるなどの仕組み作りが求められます。

【佐々木】 観光業においては、ロボット導入による地域振興について相談をよく受けますが、私は、局所的に見ないで、各種サービス業とその他産業、農林水産業とか地域社会などという視点に立ち、全体として当地の観光業はどうあるべきかを考えるようにしています。そうすると、色々なシーンでロボットを活用できたり、ロボットを使って人に新しいことを体験させるということができてきます。いずれにせよ、今後、地方では、ロボットの導入が一層加速すると思われます。

【越田】 観光業=サービス業や、ホテル業、タクシー業として見るのではなく、また、DMOよりもむしろAMOというエリアをマネジメントする意識が必要ですが、つまりは近視眼的、局所的ではだめだということですよね。

【佐々木】 私自身、移住して最初に、それをすごく感じました。皆さんそれぞれに自分の仕事はこうだから、地方はこうだからとかと言われますが、全部ホワイトボードに書いてみたら、意外と有機的関係の構築、組み合わせにより面白いことができるのではないかと思われました。

【越田】 事業者の方々の有機的関係の構築や、地域資源の組み合わせによる地域振興を、私も考えていまして、そのためにも当社ACPは、地域の潤滑油だったり、翻訳家、接着剤などの役割を担わなくてはいけないと思っています。

ロボットビジネスの目指すもの―社会課題の解決と企業の生産性向上―

【越田】 ロボットの導入に関連し、中小企業経営者の皆さんに向けて経営上のヒントをおねがいします。

【佐々木】 まず、ロボットビジネスとは、ロボットを活用して社会の課題を解決したり、企業の生産性を向上させることが先にあって、そのプロセスの中に、ビジネスが発生したり商売や取引が発生するということを、ご理解いただきたい。

ロボットを導入する側の中小企業の経営者の皆さんは、生産性の向上に向けて、自分達はどうしたらいいかをとても真剣に考えておられます。ただ、働き方改革における長時間労働の是正や労働賃金の引上げなどの点だけに関心が集中するあまり、生産性を向上させる具体策の検討がない。

また、人手不足に加え、社員の高齢化も進んでいるなかにおいて、業務プロセスをナレッジマネジメント(知識、技術の共有化)に落とし込めていない。各業務が属人的で業務間の連携も乏しく、本当にこのままでは厳しい状況になると危惧しています。かつ、多くの企業ではロボット導入に多額の資金を割けない実情があります。ただ、資金的な余裕がなければ、働き方改革等の諸施策を実施することも困難となります。

こうしたなか、ロボットを導入する場合などは、属人化した仕事や業務プロセスの全てを整理整頓する良い機会になります。また、今のサービスロボットは、高いものばかりではありません。先ほどのRaaS(Robotics as a Service、ラース)のように、クラウド環境を利用し使った分だけ料金を支払うという商品もあります。

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