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経営サポート事業

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観光業で起業 コロナ禍直撃も新事業へ!

長引くコロナ禍は、起業を志す方々に大きな環境変化を招き、心理面にも大きな影響を与えている。温めてきた事業に対する夢やビジョンがある一方で、先行きが見えないことから、起業を断念した話は巷間でよく耳にする。今回は、そのような状況下、2019年に独立創業し、ウェディングを通じて青森の魅力を世界にPRすることに取り組んでいる青い森ひなた美人合同会社の江渡仁隆代表を訪ね、起業時のエピソードや、国内外に向けて来青のきっかけを作り続ける熱い思いなどをうかがった。

江渡 仁隆

えと・まさたか:1978年8月24日青森市生まれ。地元老舗ホテルにて、婚礼・宴会・宿泊の3部門の営業責任者として統括。2019年、20年間勤務したホテルを退職。「四季折々の美しい景勝地」や「格式高い伝統的な神社挙式」から豊富な和婚プランを自由に選び相談できる和婚専門店、青い森 ひなた美人 合同会社を創業。「ウェディングを通じて青森(日本)の魅力を世界にPRしたい」をテーマに青森に来ていただけるような「観光ウェディング」に取り組んでいる。

青い森 ひなた美人 合同会社

所在地: 青森県青森市長島2丁目13-1 アクア青森スクエアビル6階
代表:江渡 仁隆
Facebook https://www.facebook.com/hinata.bijin/
Instagram https://www.instagram.com/hinata_bijin_inc_wedding/

起業直後にコロナ禍! 当初計画にない新事業で巻き返しを図る

――コロナ禍での難しい舵取りが続いていると思いますが、最近はマスコミで取り上げられることも多いですね。

地元の新聞社にはよく取材に来てもらっています。その足掛かりは青森銀行さんに「県南に伝手がないので、いい方法がないだろうか」と相談したことです。銀行さんが「我々が、新聞社に取材に来てもらえるようにお願いしますよ」って言ってくれまして。最初は正直、難しいのではないかと思いましたが、見事に実現しました。その後も、各新聞社やテレビ局には一度ならず、複数回興味をもって話を聞いていただいています。

最近本格的に始めたサービスのひとつが「観光型フォトウェディングサービス」です。青森県内の名所でブライダル撮影と観光を楽しめるプランなのですが、結婚式を控えたカップルの撮影をはじめ、ご夫婦の記念写真にも対応をしています。ご当地ランチ付きや宿泊を伴うプランも設定しています。

このサービスは起業を志した時には考えてはいないものでした。これに限らず現在は当初考えていた計画とはまるで違う事業を推進しています。それだけコロナ禍の影響は強いのですが、お世話になった皆さまのためにも巻き返しを図っていきたいと思っています。

――当初のお話が出ましたので、起業を志したきっかけを教えてください。

長年にわたって青森市内の老舗ホテルで経験を積みました。若い頃に先輩から教わった言葉で印象に残っているのは「お客様と一緒に成長できれば嬉しいよね」というものです。当時、私の主な業務は法人の宴会への対応でした。幹事に選ばれる方々は、その法人の中でも若手のリーダー格であり、今も良いお付き合いをさせていただいています。そういった方々と協力し合ってプロジェクトを成功させることで、誰かに喜んでもらうために貪欲に取り組むことを覚えましたし、どんな事も自分事として取り組むことの大切さを学びました。その後は、婚礼・宴会・宿泊の営業責任者として部門統括の役割を与えていただきました。事業をマネジメントする体験は、日頃自身が考えていることを独立してやってみたい、やれるのではないかと考え始めるきっかけになりました。

ホテルの役割は、観光業だと思って従事してきました。宿泊部門では海外から青森に来られた方へのサービス提供もありましたし、そういう時には思う存分青森を楽しんでいって欲しいと思って対応していました。青森は一泊や二泊では足りませんよ、と思いながら。海外の方は当然メジャーな観光地に行く方が多いのですが、近くにはこんな素敵な場所もあるんですよ、なんてお勧めスポットをお伝えしていました。

そういうことを繰り返しているうちに、私自身が発信源となって、海外の方に青森をもっと知ってもらいたい、青森に来てもらいたいと思うようになりました。しかし、個人による尖がった活動がホテルのリスクになること、例えば思ってもみなかったトラブルに職場を巻き込むわけにはいかないなあと思うようになりまして。そうなると、お世話になったホテルを卒業するしかないと。寂しくもありましたが、仲間には多くの激励の言葉をいただきましたし、その分頑張ろうという原動力にもなりました。

――ご苦労されたことも多かったのでは?

事業計画を作るにあたっては、やはり最初は勝算のあるところからスタートしようと考えました。当時は台湾からの旅行者が多かったので、その方々に楽しんでもらえるメニューを中心に計画を立てました。例えば、意外に感じると思うのですが、台湾の披露宴での服装はシンプルな場合が多いです。この点で、古式ゆかしい日本の伝統文化である和婚に対する憧れを持つ人が多いのではないかと考えました。事業計画の幹の部分も、台湾の方々に青森の観光名所で和婚の形式を体験してもらうというものでした。当時、県内インバウンド需要への対応という観点では、2019年の一年間での来訪者数は約24万人なのですが、その約半数が台湾からです。計画策定時点では、事業開始への期待感が大いに膨らんでいました。更に、台湾内に営業の窓口をしてくれるパートナー企業を見つけることができたのです。順調にスタートできる、そう考えていたのですが、順調だったのはここまででした。

法人設立が2019年12月ですが、その二か月後には世界中がコロナ禍に巻き込まれ、青森と台湾間の国際定期便が運休になりました。今だから笑いながら振り返ることができますが、急転直下の出来事でした。電話が鳴ると殆どがキャンセルの連絡でしたから、あの時は目の前が真っ暗になりました。その中で、日頃から可愛がってくださる先輩の経営者の皆さんに、多くのアドバイスや励ましの言葉をいただきました。

後戻りができる状況ではありませんでしたから、一から計画を練り直すことになりました。21あおもり産業総合支援センターには、多くの時間を割いていただいて助言をしてもらいました。また、金融機関にも同様にご支援いただきました。

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