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経営サポート事業

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観光業で起業 コロナ禍直撃も新事業へ!

出会う方々に興味を持つ、喜んでもらうべく行動する

――インスタグラムの投稿数も順調に伸びていますね。

少しずつですがお客様へのサービス提供が増えることによって、それに比例するような形でインスタグラムへの投稿数増加に繋がっています。そして、そのことがまたコマーシャル効果となって、口コミのように拡がっていることを実感しました。私のようなサービス業での営業の仕方について、興味を持たれる方もいらっしゃるかも知れないので少しお話します。

まずは自社ホームページからのアプローチが重要だと思いました。特に文字と写真のバランスに気を配って設計しています。ページビューも順調に伸びており、閲覧者によるインスタグラムフォローとも親和性が高いのだと感じています。スマホで手軽に見ていただける準備を整えたことは、ひとまず上手くいっているのではないかと考えています。

ホームページやインスタグラムも「なんか見たことがある」と思っていただくことが大事だなと分かってきました。ショッピングセンター等でイベントを開催すると、「見たことがある」人は寄ってくれますし、声を掛けてもらえます。この流れでサービス申込みに至ったケースが複数ありますが、もし、こうした接点が無かったらお取引には至っていなかったと思いますので、冒頭のお話にあった新聞記事も含めて、皆さんに認知してもらうことは重要ですね。

また、自分の性格もあるとは思いますが、出会う方々に対して興味を持って話し掛けることが、最終的に商売に繋がっていますね。多くの皆さんがやらないことで、私が勿体ないなと思って取り組んでいることが「電話番号を聞いても良いですか」という一言を添えることです。銀行さんにも電話番号を教えてもらっていたからこそ、スッと相談することができました。意外とこれをやらない人が多いと感じていますが、人脈を拡げるには臆せずに言葉を発することが重要です。

――お客様の反応はいかがですか?

現在のところ、カップルのどちらかの仕事の関係で県内在住の方々からの申込みが多いです。今、青森県に住んでいるからこそ、思い出をしっかりと形にしたいと言ってくださっています。撮影日の天気予報は予め確認しますが、本当に天気にも恵まれておりまして。「大好きな青森の自然の中で思い出を残すことができた」とか「これから青森で結婚式を考えている人には教えてあげたい」といった反響をいただいています。私たちはプロカメラマンにしっかりと撮影してもらうことは勿論ですが、私自身が撮影の最中や合間にも携帯カメラを使ってオフショットを約千枚撮っています。これが意外にも好評です。今はこの枚数であってもデータ送信で直ぐにお渡しできますから便利です。

青森の自然という恵まれたロケーションを更に多くの皆さまに感じてもらうために、間もなくドローンを活用した撮影にも取組みます。

コロナ禍が落ち着いてくれば、当初描いていた台湾の皆さまも勿論ですが、世界中に青森の魅力が伝わり、きっと訪れてくれる人々が増えると信じています。

自分を否定されることはマイナスだけではない

――起業を目指している方々へメッセージをお願いします。

事業をスタートしたばかりの私が申し上げるのも恐縮ですが、少し先に体験した者として、発言させていただきます。

これまで申し上げて来ました通り、多くの皆さんに可愛がっていただき、助けていただきました。よく言われるのが「運を持っているよね」という言葉であり、自分でもその通りだと思います。意識しているのは「動くこと」です。自身のフットワークが「幸運」を運んでくれていると考えています。私は頭で考えることと比較すれば、行動することにより重きを置いています。先ほど述べたことに近いのですが、「一件の電話」を恐れずに掛けることも大事だと思います。勿論私も初めて電話する場面では緊張もしますし、場合によっては自分を否定されるのではないかと考えてしまうこともあります。但し極論ですが、自分を否定されることはマイナスだけではないと考えるようになりました。

というのも、お客様との関りや、事業を継続していくうえで、一番良い状態は勿論全ての方々に好かれることだと思います。他方、その反対、一番悪い状態が嫌われることなのかと言えば、そうではなくて、無関心こそが最悪の状況であると考えています。先ずは如何に無関心のゾーンから抜け出すことができるかが事業の導入期には必要だと思います。

次に、これも先述しましたが、人に喜んでもらうことです。お客様に限ったことではなく、出会う人皆さまに喜んでもらうべく行動することは、ホテルマンだったからこそではありますが、多くの方々と関りをもって仕事をする人全員に必要な哲学だと思います。

最後に、複数人で起業する方に比べると、一人で起業する方の方が多いと思いますので申し上げます。孤独になることにも素晴らしさがあります。特にこのコロナ禍では、会いたい人にもなかなか会えない分断が課題となりました。但し、塞ぎ込んでいても仕方がありません。一人で居る時間も起業家にとって大事な資産であると考えることにしました。

私よりも相応しいことを仰る方がたくさんいると思いますが、私の体験を通して申し上げました。始まったばかりの事業ですが、青森県の魅力を伝える役割を果たしていきたいと思います。

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取材を終えて

銀行は、苦境に立たされていても、諦めずに意欲をもって事業に立ち向かう経営者を応援する。勿論当たり前である。但し、コロナ禍は、経営者から、その意欲を奪いかねない。事業経営における人間的要素の重要性は論を待たないが、コロナ禍は人間の感情部分や組織人間関係などをジワジワと蝕んでいく。そんな中、江渡代表は持ち前の明朗さやポジティブな思考で、この危機を乗り越えようとしている。

インバウンド需要に沸いた青森の姿は、今は見る影もないが、青森の良さが失われたわけではない。江渡代表の事業を通じて、風光明媚な青森の姿が、映像として多くの人々に届いていく。江渡代表の事業戦略として語られたことの一つに「まずは見たことがあるという状況を作る」という言葉があった。目や耳へのアプローチは、まだ青森に来たことのない人々の心をも揺さぶるのではないだろうか。

取材日も、人懐っこい笑顔で話す江渡社長から楽しい時間をいただいたが、なるほど多くの先輩経営者から応援される所以を見た気がした。「どんな事も自分事として」捉えることや、周囲の人に関心を持つこと、苦難の中であっても笑顔を絶やさないことは、起業家のみならず、チームワークの土台であり、更に言えば「相手の関心に関心を持つ」ことが、良きコミュニケーションに繋がり、結果的にビジネスにおいても良好な人間関係構築に必要であると改めて思うことができた、そのような取材であった。

(取材・編集 加藤寛)

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