2023.06
#むつ、おもしろくしようぜ。
当地は青森県内でも青森市などといった市部と比較すると、立地上ハンディキャップがあると思っています。人口や世帯数が少ない中で生まれ育った人を当地に就職してもらう、また呼び戻すことの難しさがあるのではないか。
このことからも、「#むつ、おもしろくしようぜ。」は当社のキャッチフレーズではありますが、その範囲を地域全体に広げていくイメージを持っています。
当社における「つくる」とは何だろうか?から思考をスタートさせていますが、すべては「むつ=下北地域」のために「つくる」ことに繋がっています。そうすると同じ「つくる」という言葉が無限に広がっていくのではないか。よって、キャッチフレーズに対しプロジェクトチームが考えた次のストーリーを添えて理解をしております。
幸せや豊かさ、明日や未来につながることすべてが『つくる』になる。すべての人や企業がお客様ではなく、いっしょに共創する仲間になっていく。むつで暮らすみんなが快適で笑顔になれるような、むつに域内外を問わず多くの人が興味や関心を抱くような、むつの豊かな資源や価値を後世につないでいけるような。多様なアイディアをカタチにして。私たちは、あなたとむつの明日や未来をつなぐ、きっかけをつくる。
社員が色んな団体とコラボ活動をしながらむつで仕事をすること、生活すること、楽しむことなどを発信できたら良いのではないかと考えています。
地域を更に盛り上げていくために挑戦を成長の土壌として
――これから挑戦したいことを教えてください
「帰って来るな」と言われ若気の至りで頭に来ましたが(笑)先代を参考にしながらここまで経営してきました。一言で言えば「筋を通す」ことを大事にしていると先代の傍にいて肌で感じました。当地の言葉で「なんたかったやる」(なんとしてもやり遂げる、の意)そんな強い意志を持ち、必ずやり遂げることで顧客満足に繋げていました。
後任である私が挑戦すべきことの一つは、社員みんなとしっかり受け継いでいくことだと考えています。みんなが良い仕事を継続してくれましたので、大きなプロジェクトにも参加できるようになりました。大きな仕事に挑戦することで社員がより成長する土壌を作っていきたいと考えています。
振り返ると大林組でお世話になった先輩たちからも多くを学びました。問題が発生した場合は朝一番で現場に行くことを教えてもらいましたが、マンション建設の現場において協力会社同士で揉めていることが稀にありました。そんな時に互いの言い分を聴きながら納得してもらうスキルを高めることができました。現在、当社では協力会社満足も掲げていますが、関係性向上にも社員一同で挑戦したいと思います。
昨年、青森銀行から声掛け頂き実現しましたが、共栄ハウス青森有限会社(青森市)が弊社グループに仲間入りしてくださいました。同社はプレハブを自社で修理できるというニッチな技術を保有しており、後継者が不在という課題を抱えるなか、従業員のみなさんの、この仕事が好きでやめたくないという熱い思いに答える形になりました。新築・建て替えのほかに、修理という選択肢をご提供し、SDGsの理念にも合致しており、皆様のお役に立てればと思っています。
むつ下北地域外の会社ともリンクしていく、そんなチャレンジを続けていきたいと思っています。
最後に、地元むつの先輩たちにも感謝を述べさせてください。私より先にむつに戻り地元に貢献している姿を見て、自身にムチが入りました。しっかりと地元貢献し先輩たちにも地域にも恩返しをしたいと思います。
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取材を終えて
記事中にあるブランドメッセージ開発のワークショップ開催のため複数回ご本社に伺った。同社では事業部門が幾つかあり、それぞれの部門からプロジェクトチームに参加していただいた。可能な限り業務に支障のない時間帯で開催したつもりだが、この場を借りてチームメンバーを快く送り出してくださった各部門の皆さまにも御礼申し上げます。
取材時に熊谷社長が語っていたのが「巻き込み力」について。ご自身も大林組在籍の若手社員の頃に、現場と営業との部門間調整時に「力」を発揮したエピソードを披露してくださった。ワークショップの件も、参加するのは一部の社員だがキャッチコピーが完成した際には、どのように全社員を、またはむつ地域を巻き込んでいくかの構想を話してくださった。
経済産業省提唱の社会人基礎力を構成する三つの能力のうちの一つに「前に踏み出す力」とあるが、その中の能力要素「働きかけ力」と同義だと感じた。働きかけ力がある人は率先して「やろうじゃないか」と周囲に呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていくことができるということを示している。「そんな力がある人が社内に居ると良いのに」と思う経営者は多いのではないか。是非弊社を巻き込んでいただいて、ご一緒に組織開発に向けて汗をかかせてください!!
(取材・編集 加藤 寛)